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芝浦工業大学

工学部建築工学科

西沢大良研究室

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NISHIZAWA TAIRA LAB

SHIBAURA INSTITUTE OF TECHNOLOGY

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第一回西沢研究室ゼミ発表

第一回西沢研究室ゼミ発表が全班終了しました。今回は各班の第一回ゼミ発表の内容を紹介します。

【河川班】

 かつて水害や用水として生活の一端を担っていた河川が、都市化に伴って公害発生源や排水路となってしまった時代があった。その痕跡が暗渠である。河川としての役割を終え、暗渠となってもなおその影響は現代の都市計画や建築計画に残っている。暗渠に影響を受ける敷地の開発手法を提案することを研究目的とする。

 第1回の発表では、政策やインフラ、公害、災害といった切り口から江戸から大正までの時代背景と河川との関係性について調査し年表化を行った。次に暗渠上に多く見られる影響事例を用途、都市計画、建築計画という3つの視点から収集した。さらに暗渠上のプログラムを塗り分け、その分布や長さと暗渠の形状・開発時期・周辺環境などとの相関性を探り、古地図と比較して分析した。次回以降は河川に対し人がどの程度手を加えたかという加工度の指標を用いて暗渠化が街に残した影響を探っていく。

                               fig.1 東京都河川網

【地形班】

 若者の街である渋“谷”、高級住宅街である白金“台”。このような地名からわかるように、東京には谷や台地、窪地など、地形図ではみえないような微小な地形(=微地形)が数多く存在しています。

一般的に斜面などの地形は、悪所として扱われていることが多い中(例えばブラジルのファベーラ)、東京、そしてその基盤となった江戸は、地形を巧みに使いながら都市化を進めました。そしてこの微地形が、都市を高低差で上下の領域に区切ることで、“あるところには閑静なエリアを作ったり、あるところには若者の街をつくったり”と、東京に多様性を与えているのではないかと考えます。

 本研究では、微地形が生み出している「上の面と下の面」という二つの空間の関係性に着目し、この二者の関係性を、建物用途や道路、地域性などをもとに分析することで、微地形が東京にもたらしていることが明らかにします。

 東京を俯瞰すると、西に高級感のある山の手、東に情緒あふれる下町という構造が伺えます。これを「広義の山の手・下町」とするならば、本研究は街区スケールの地形における山の手、下町の関係性を観察する、「狭義の山の手・下町」を論じる研究となると考えています。

                fig.2 「広義」の山の手・下町論と「狭義」の山の手・下町論

【街区班】

 昨年度、行っていた「街区」の研究を引き継ぎ、新街区班として活動しています。昨年度では、東京23区の約10万街区を対象に、街区の複雑度を表す数値から、東京の都市構造を解明するという活動をしていました。

 今年度からは、昨年度が「街区形状」により、街区の分類を行っていたのに対し、「街区の質」を問う研究を行っています。「街区形状」が同じ街区でも、幹線道路などの道路の質により、異なる空間を持つ街区が存在しています。昨年、「街区」の面積・周長から「街区形状」に対し、面積と周長の形状に依存しない質を分析し、より解像度を上げた東京の都市構造の解明を目指しています。

                              fig.3 街区の幅員構成 

                              fig.4 街区の形状と質

【接収班】

 戦後、GHQによって10年以上接収され、世界的に類を見ないほどの面積で作り変えられた領域が、現在に残す影響と、その特性を見出す。接収というプロセスが、一般的な都市計画の範囲外である、軍用地や御料地を基軸としているため、東京圏に存在する接収による影響は現在の3700万人都市を解明するためのファクターとなりえるのではないか。

 本質としては、ある領域内で暮らす人口の質が極端に入れ変わった場合、それが周辺のまちに及ぼす影響をソフト面とハード面から類型化し、分析すること。

 第一回の発表では、主に戦後GHQによって作られたDH (Dependent House:独立住宅) 住宅団地の変遷について、それらの現在に残る影響を見ていった。街区や建物のフットプリントといったハード面や国勢調査を元とした人口データのソフト面をそれぞれ経年で追い考察した。

                            fig.5 人口データのスタディ

                                fig.6 データシート

【地下鉄道班】

 地下鉄道班では東京圏における地下鉄道が都市計画と建築計画に与える影響を解明し、開発手法を確立することを目的に研究を進めて行く。本研究では地下鉄道を「国土地理院の表示分類内における地下鉄と地下式鉄道」を合計したものと定義した。

 初回では、地下鉄道が都市に与える影響を類型化するために簡易的データシート(以下DS)を作成し、事例を取りあげた。簡易的DSは地下鉄道上の①建物用途②航空写真③深度図④俯瞰写真/ストリートビュー写真 の4つの情報で構成した。深度図とは路線史に掲載されている縦断面図を参考に深度と影響の関係を考察するために作成しものである。簡易的DSの考察から建築物の平面的影響・断面的影響、敷地形状への影響、街区形状への影響の3つの分類を確立した。さらに、不動産鑑定における地下鉄道の扱いを法規的側面から見ることで地下鉄道が横断する敷地における土地所有の立体的関係の理解を深めた。

                              fig.7 地下鉄道断面図

                                 fig.8 データシート

【鉄道班】

 東京は都市化と共に鉄道網の発達によって高密度な都市が創られました。鉄道班では、市街地を横断するが故に鉄道の線形が建築・都市計画にどのような影響を与えるのかを目的としています。鉄道の線形を計画する上で重視されるのがコントロールポイントです。コントロールポイントとは路線選定に当たり線形を制約する地点または地区のことであり、様々な条件によって通過すべき地点と避けるべき地点が存在し、それらによって鉄道の線形が決定されます。

 今回は、①予備調査:鉄道の線形が曲線を生じる原因について②変曲点抽出:鉄道線形が直線から曲線となる始点の抽出スタディー③市街地への影響調査:変曲点付近での市街地の特徴、鉄道のカーブが市街地に与える影響について調査を行いました。

                             fig.9 鉄道線形予備調査


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