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芝浦工業大学

工学部建築工学科

西沢大良研究室

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第四回西沢研究室ゼミ発表

第四回西沢研究室ゼミ発表が全班終了しました。今回は各班の第四回ゼミ発表の内容を紹介します。

【河川班】

 第四回発表では、まず前回作成した経年マップに情報を付随する形で過去の航空写真から目視で暗渠化のタイミングを判断し作成した。ここから第一期暗渠化と第二期暗渠化は同じ都市化の影響によるものだが、その背景が異なっていることが推測できた。第一期は下水整備のための暗渠化の後に宅地化が行われ、主な転用用途は車道である。一方、第二期では高度経済成長による急劇な都市化に下水道整備が追いつかなくなり、生活排水を中小河川に流したことなどによる環境悪化が36答申の提出に繋がった。宅地化が終わった後の暗渠化であるため、緑道などの環境保全のための用途転用に変化した。

 次に、用途が連続する暗渠の範囲を1クラスタとし、クラスタごとの暗渠の全長を、始点と終点を直線で結んだ最短距離で割った値で求められる蛇行度という値を用い、戸建住宅などの建築が密集して建っており周囲への影響が大きいと思われるクラスタに絞っていく。

 また、車止めや行き止まりや高低差といった要素は暗渠が持つ特有のものであり、車が入れないため住民など利用者が制限され、周辺から分断された領域を作る点に着目し、今後はその要素の種類数などで敷地を選定し設計提案に繋げていく。

Fig.1 クラスタ別データシート

Fig.2 蛇行度による散布図

【地形班】

 第4回ゼミです。ここまでのゼミで、東京に存在する高低差をみると、建築規模(それに付随する形で用途も)が上位園と下位面で異なるというパターンが、都心部に数多く見られるということが明らかになりました。

 高低差が物理的な障壁を生むという点から、仮に建築規模(+用途)が上下で異なる場所は、高低差を適切に使いこなしている(うまい仕切りとして高低差を使っている)と考えます。

 ではその逆である、「建物規模・用途に差はないにもかかわらず、高低差が存在している場所」(fig.3)

 では、高低差はどんなことに変化を与えているのか。そこにフォーカスを当て、分析を進めました。

 このようなサンプルを比較していくことで、

1, 形成過程によって、高低差を跨ぐアクセスの本数に変化がある

(上位面が元屋敷の場合、下位面→上位面の道が極端に少ない。逆に元畑だと、道が多い)

2, 建物密度の変化

(駐車場や庭などの空き地を持った住宅と、高密度に建て込んでいる住宅街)

3, 建物所有の変化

(持ち家or賃貸)

という、建築フットプリントが異なるサンプル同士では得られなかった、高低差による差異を確認することができました。つまり、航空写真では同じように見えていても、実空間としては高低差によって大きくギャップがもたらされているということです。

 これらの起きているギャップと、高低差によって分断されている長さ(fig.4)との関係から、改善が必要とされる高低差(崖・擁壁)を絞り込んでいくことで、提案へと進めていきます。

Fig.3 建物規模が同様な中に存在する高低差

Fig.4 高低差による分断長

【街区班】

 前回、道路幅員を5種類から3種類へまとめ、考察を進めた。そこから都市スケールの考察や5種類で得られていた考察の一部を簡潔に述べることができるようになった。しかし、「街区形状」との相関性が見えづらくなってしまう部分があった。そうしたことから、道路幅員5種類を「街区形状」への影響別に分類し、道路幅員3種類と合わせて考察していくこととなった。

 また、第2回で示した「変動係数」という’街区内の建築面積のバラつき’を表す数値と「道路幅員」「街区形状」との関係性をより深く考察していった。

「道路幅員」「街区形状」「変動係数」3つの街区を評価する指標から、適当な街区を選定し、より深い考察を行っていく。

Fig.5 S値×変動係数(全街区)

Fig.6 S値×変動係数(全街区)

【接収班】

 第4回のゼミでは前期の研究活動の総括として、東京と横浜での接収地全体での動向を年表とフラッシュデータとしてまとめ、用途ごとの接収地の再開発の傾向を類型化した。動向としては、接収された領域や建築の数・面積はサンフランシスコ平和条約による50年代の大幅な減少、また73年の関東計画などによる60₋75年の減少が見て取れ、基本的に都心から郊外に向けて解除されている。その中で、接収時の用途別にみると接収期間やその後の開発傾向、ひいては現在に残る影響の度合いに差が生じている。住居施設一つをとってみても、宿舎として建物を改修・接収しているものと家族用団地として領域ごと開発・新設しているのでは大きな違いが存在する。

 データシートでは、接収期間として長くなる、領域接収を主にまとめ、それらの類型化を行った。また、今回は赤線地帯、米軍ハウスなどの接収領域外での影響の残存についても考察し、フローチャートからどういったルートにそれらが集積し残存するかを十分ではないが発表した。今後はそれらをまとめ、もう少しスケールを落とした段階で細かく分析していくことが必要である。

Fig.7 首都圏における接収年表

Fig.8 首都圏における接収年表

【鉄道班】

 第四回発表では、「JR8路線ごとの鉄道線形特徴について」、「市街地に影響を与えるカーブの強さ」、「実際の影響について」の3つの内容から考察を行いました。各線路ごとの鉄道線形特徴に関しては、行政区を走行する営業距離に対してどれだけカーブがあるのかを調査し、地形・河川の立地や軍事施設の存在が鉄道線形のカーブを創り出す原因として強く現れていました。また、カーブの強さについては各カーブごとの鉄道線形グラフから変曲点数を示すことで、より市街地に与える影響が強いカーブを抽出しました。

 今回は抽出した66カーブについて鉄道のカーブが触れている街区(駅を含む街区は除く)を街区群として一つの影響領域としました。影響領域と曲率(rad/m)の関係性として、曲率が高ければ高いほど細長い街区群が構成されていました。これは鉄道の急カーブが市街地を分断することで街と切り離して創られているためではないかと考えられました。

 今後は細長い街区群を定量的に分析し、最も影響を受けている場所を特定するために考察を深めていきます。

Fig.9 曲率ー変曲点グラフ

Fig.10 データシート


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